2010年7月31日土曜日

北アルプス登山記録


燕岳 2063m から 槍ヶ岳 3180m へ
北アルプス表銀座ルートを天空散歩

梅雨が明けた7月25日(日曜)から4泊5日で、テント・寝袋・5日分の食料を持って快晴の燕岳、大天井岳、東鎌尾根を経て槍ヶ岳へ、そして中岳から南岳へとゆっくりと高山植物が咲く盛夏の北アルプス表銀座縦走路を友人2人で歩いた。

7月29日(木曜)は雨天になり、大キレット、長谷川ピーク、北穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳から上高地のコースを変更して今年は残雪の多い天狗原から槍沢経由で上高地にエスケープした。その日のうちに松本駅に行き、電車で穂高駅で下車、穂高神社近くの市営駐車場においていた車に戻り、穂高温泉郷で入浴後、豊科ICから中央高速道路であきる野ICへ、24時過ぎに帰宅した。


●7月26日(月曜)快晴、中房温泉から燕岳へ

前日、穂高市営駐車場で仮眠し穂高駅前から5時5分発の中房温泉行きバス(1700円)に乗る。



中房温泉から合戦小屋までの急登は、炎天下25Kgの荷物を背負った 67歳の身にはとても辛い。 でも、合戦小屋のスイカ(800円、1カット1/8個分)は、とてもとても美味しかった。


合戦小屋を過ぎ森林限界を超えたあたりから見た燕岳

午後1時半ごろ燕山荘キャンプ場(500円)に着いた。先ず、赤いテントを張った。


燕岳2783m周辺の花崗岩のガレ場には、たくさんのコマクサが咲いていた。

時期的には満開を過ぎたころであったが、ガレ場に群生して咲くコマクサを見ると高い山に来たという実感がする。


燕岳山頂に到着すると
地元の中学1、2年生30人くらいと 先生が記念撮影をしていた。

山頂の上空には雷雲が広がり遠く雷鳴が聞こえ、静電気のため先生の髪が逆立っていた。


記録写真のため三脚を岩場に置くとパチパチと放電をする。
落雷の心配もあり、早々と山頂を離れた。
中房温泉登山口から燕岳までコースタイムより2時間も多くかかったし、 炎天下で多くの汗を流したので 燕山荘の中生ビール(800円)は大変美味しかった。
そして午後9時にはテントの中でパーリンカ(ハンガリー産の蒸留酒40%)を
水割りで3杯飲んで、ぐっすりと寝た。

●7月27日(火曜)快晴、燕山荘から大天井岳を経て西岳へ


快晴の燕岳稜線からは双六岳、槍ヶ岳、穂高連山、常念岳、遠く南アルプス、
中央アルプス、そして富士山も見渡せた。

大天井岳への登山道


登山道には、キバナシャクナゲ、アオノツガザクラ、ミヤマキンポウゲ、
シナノキンバイ、タカネスミレ、ハクサンチドリ、ヨツバシオガマ、ミヤマダイコンソウ、 ウサギギク、チングルマ、クルマユリ、イワギキョウ、ハクサンフウロ、イワベンケイ、 イワオウギ、クモマグサ、イワツメクサ、カラマツソウ、ミヤマウスユキソウ、チシマギキョウなどの高山植物がたくさん咲いていた。
大天井岳2299mからの360度のパノラマ展望は、重い荷物も忘れるほど素晴らしかった。
今年は残雪が多く縦走路の途中で、幾度か雪渓の雪を水代わりに食べた。


大天井岳2922m山頂


ヒュッテ西岳キャンプ場(500円、水1リットル200円)はヒュッテ西岳から
少し離れた風が当たらない山陰にあって静かであった。しかし、パーリンカの水割りを飲んで寝ようとしたが、隣のテントのイビキがうるさくあまり寝られなかった。


●7月28日(水曜)快晴のち霧雨、
ヒュッテ西岳から槍ヶ岳を経て南岳へ


快晴の東鎌尾根を槍ヶ岳を目指して重い荷物を背負って周辺の山々を見ながら歩いた。


三段ハシゴのある岩場

西岳からの鞍部を越えたあたりで谷筋から何人かの連絡しあう声が聞こえてきた。
しばらく行くと女子大生くらいの方が斜面の草を頼りに登山道に登ってきた。
彼女の話によると「死ぬ思いで登ってきた。午前2時ごろ槍沢のババ平キャンプ場を
数人パーティーで出発し、槍ヶ岳でご来光を見ようと登ってきた。
水俣乗越を経て東鎌尾根に出るつもりであったが雪渓で道に迷い、やっといま縦走路に辿り着いた。 水俣乗越はどのあたりですか?」と言う。
そのパーティーの他の男性は谷筋の反対側の急斜面を登るが滑り落ちたりしているのが見える。 地図を見ると水俣乗越は、もう少し槍ヶ岳方面に行った鞍部であったので 「他のパーティーの方達は元来た道を戻って、正しい道を捜した方が良い」と言うと
「登山初心者の女性が居るので雪渓は下りられそうにない」と言う。
彼女の判断で、より安全な草つきの斜面を登り、東鎌尾根に出ることになったが、
基本的には「道に迷ったら靴紐を締めなおして元来た道を戻るのが鉄則」なのにと思った。

槍ヶ岳山頂3180mには午前11時半ごろ着いたが急に霧がかかり周辺の山々は霧で見られなかった。山頂は団体登山者で満員であった。携帯電話が通じるので家族と友人に電話をかけた。

山頂から槍ヶ岳山荘にに下り、しばらくすると霧が晴れた。

午後1時ごろ中岳を経て南岳へ向かったが、だんだんと霧が深くなりそのうち霧雨になり縦走路のケルンがボーと浮かんで道案内をしていた。

南岳山頂3033m
霧の中のハクサンイチゲ

夕方になるとアブやブヨが飛び回るが、霧の中でも時刻になると飛び回るらしい。
歩いていて顔の周りを飛び回られるとうっとうしいが、刺されるわけでもないので追い払わずに歩いた。同行の友人は虫除けネットを持参してきていて着用していた。なんと用心が良いことと感心した。

午後5時前に霧雨に煙る南岳小屋に着いた。

キャンプ場(500円)にテントを張ったが夜中に風雨が強くなり、テントに当たる雨音と風音がうるさくて眠れなかった。古くなったテントなので雨水も少し浸み込んできた。寝袋が濡れないようにしながら起床の午前4時半までうつらうつらしていた。

●7月29日(木) 1日中雨南岳小屋から天狗原を経て上高地、帰宅へ

南岳小屋にある衛星テレビのNHK天気予報によると大陸の寒気のところに太平洋の湿って空気が流れ込み日本全国的に1日中雨で、豪雨注意報もでるとのことであった。

宿泊していた30人くらいのほとんどの登山者は、雨天の大キレット、長谷川ピーク通過を諦めて天狗原を経て槍沢経由で上高地方面に下るとのことだった。

以前晴れているとき大キレットを通り北穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳から上高地に行っていたので、我々も無理をせず飛騨側の槍平方面か天狗原経由か検討したが、今年は残雪が多く霧と雨風の中では雪渓で道を迷う可能性が高いので各パーティーごとにほぼ同じ時刻(午前6時)に出発することにした。

団体登山パーティーリーダーは雪渓通過の注意事項を説明していた。

我々はアイゼンを持っていなかったので雪渓を滑り落ちないように充分注意しながら渡ったので身体に力が入り疲れた。少し雪渓で迷ったりもした。

晴れていれば天狗池から逆さ槍ヶ岳が撮れたであろうが 今回は霧の中、そして残雪が多く天狗池が現れていない。

土砂降りの中を槍沢を下り横尾、徳沢、明神を通過し上高地に午後4時ごろ着いた。
上高地から乗り合いタクシー(2400円)で松本駅まで行き、大糸線で穂高駅(320円)に行き、穂高神社近くの市営駐車場に戻り、一休庵で岩魚蕎麦(1050円)を食べ、穂高温泉郷(400円)で一風呂浴びて、更科ICからあきる野ICまで中央高速道路を利用して午後24時ごろ帰宅した。


●費用:合計28,638円
・交通費 14,120円
(ガソリン40L,走行距離438Km セレナ,高速道路,BUS,TAXI,JR)
・天水 400円(2L)
・キャンプ場(3泊) 1500円
・スイカ 800円
・中生ビール 800円
・岩魚蕎麦 1050円
・山葵蕎麦+鰯唐上げ 1500円
・おやき(野沢菜6個) 1260円
・温泉 400円
・持参食料 6,808円
 レトルトカレー 3袋、レトルトライス 2袋、おにぎり 6個、 
 インスタントラーメン 2袋、 カップラーメン 5個、カット餅 8個、 
 ウイダーエネルギー 7個、カロリーメイト 2箱、SOY JOY 3本、
 スニッカーズピーナッツ 2本、ココナッツサブレ 1箱、のど飴 1袋、
 アーモンドクッキー 1箱、鰯ソーセージ 6本、リサーラソーセージ 1本、
 水 2L、 お茶ボトル500ml  3本、 ポカリスエット500ml 2本