2017年12月9日土曜日

インド共和国とは


インド共和国とは

Republic of India
インドとは「インダス川」に由来する。インダス:サンスクリット語で大河を意味する。

国旗
オレンジ(サフラン)・ヒンドゥー教の伝統色、
緑・イスラム教の伝統色、
白・2大宗教勢力の融和の象徴と和解の精神

独立記念日:1947年8月15日(英国より独立)
面積:328万7,469平方キロメートル(パキスタン、中国との係争地を含む)
(世界第7位、総陸地の2.3%)日本の9倍
日本との時差:3時間30分
人口:13億12657万人(2017年)人口増加率17.68%、
世界人口:推定75億人(2017年)2100年推定世界人口:120億人、
インド推定16億人(2100年)
首都:ニューデリー(New Delhi)
民族:インド・アーリヤ族(74%)、ドラヴィダ族(24%)、オーストロ・アジア族、
シナ・チベット族、モンゴロイド族等
言語:ヒンディー語(連邦公用語)、英語(準公用語)
他に憲法で公認されている州の言語が21ある。
国勢調査で申告される方言等を含める言語の数は600以上になる。
実際の言語の数は約260になる。
英語は準公用語になっている。紙幣には15言語の文字が記されている。
宗教:ヒンドゥー教徒79.8%(バラモン教が土着の宗教と習合した)
イスラム教徒14.2%、キリスト教徒2.3%、シク教徒1.7%、
仏教徒0.7%、ジャイナ教徒0.4%(2011年)
識字率:74%(2011%)
教育:義務教育8年(就学率91%)、中等教育4年(就学率54%)
政治体制:連邦共和制、29州および7連邦直轄領、議会制民主主義、共和制、二院制(上院250議席、下院545議席、元首:ラーム・ナート・コーヴィンド大統領、首相:ナレンドラ・モディ(インド人民党)、初代首相:ジャワハルラール・ネルー
名目GDP:2.2兆ドル(2017年:世銀資料)、一人当たりGDP:1,709ドル(2017年)
GDP成長率:7.9%(2015年度:インド政府資料)
軍事力:予算 約480億ドル(2015年)(Military Balance 2016)、兵力 陸軍115万人、海軍5.8万人、空軍13万人、兵役:志願制、信頼できる最小限の核抑止力の保持、
核の先制不使用、非核保有国への核兵器不使用
為替レート:1ルピー=1.71円(2017年3月31日)
在留邦人数:8,655人(2015年10月)、在日インド人数:28,047人(2015年12月)
(法務省在留外国人統計)

平均寿命:66.21歳(2012年)
国際紛争地:ブータン西部ドクラム高地、カシミール地方
民族問題:アーリア民族のバラモン(5%)による特権の独占、
シュードラ(奴隷)を主体とする非バラモン運動(ドラヴィタ民族運動、タミル民族)、少数山間未開部族(8.17%)の運命
カースト制:根本法典「マヌ法典」アーリア人のヴェーダの宗教(バラモン教)の理念 、
四種姓を基本とする身分秩序・ヴァルナ制(カースト制)、混交(サンカラ)の厳禁、
人間は生まれ持った浄性、不浄性の程度によって
バラモン(祭官)、クシャトリア(王族、武人)、ヴァイシャ(庶民、商人)、シュードラ(奴隷)に分かれる。他に指定カースト(不可触民)として約16.2%存在する。
インドの国勢調査では、独立後70年間カースト別の人口調査をしていない。
現在のインド共和国憲法では、カースト制の存在は否定されている。
しかし差別意識として依然としてインド社会ではカースト制の影響は根強く残っている。
日本における部落差別、韓国における両班差別等、憲法上では廃止されていても実態としては根強く残っている。

インドについての見聞

1.インドの大気汚染
ニューデリーで大気汚染が深刻化していてバスの外へ出ると咳き込むことがあった。。
帰国した翌々日11月20日の朝日新聞にニューデリーの大気汚染が
「殺人大気」として報道されていた。
2017年11月20日(月)朝日新聞記事
PM2.5が北京の1.4倍で街がかすんで見える

2.濃霧による交通事故
帰国してテレビを見ましたら11月18日に通ってきたアグラ・ニューデリー間の
高速道路で濃霧ため10台以上の玉突き衝突事故が起きた報道をしていた。
11月ごろは風があまり吹かず、霧が出易い。
そして、収穫した後の藁などを燃やした煙と
自動車の排気ガスでスモッグになり易い状況にある。
濃霧による玉突き衝突事故 2017年11月18日

3.インドのトイレ事情
バスで移動中のトイレ休憩では、
女性はガソリンスタンドのトイレを利用できたが
男性は道端のオープントイレで行った。男女ともオープントイレの時もあった。

たくさんのインド人が道端で用をたしているのを見た。
都市では道路沿いに簡易オープントイレが設置されていた。
多くの人が集まるところでは、有料トイレがあった。(約10ルピー)
ホテルは水洗トイレが完備していた。
ガンジス川でも他の川でも排泄物まで全てのものがが流れてゆく。
2017年11月27日(月曜)朝日新聞記事
 人口13億人のうち約5億人がトイレのない家に暮らすインド。
多くの人が今も茂みや道端で用を足している。
衛生面の問題のほか、夜には犯罪に巻き込まれる危険もある。
上下水道の整備やヒンドゥー教のカースト制もからみ、解決は簡単ではない。

4.結婚
インドでは結婚に親の承諾が必要との事。
異教徒との結婚は、基本的にしないそうである。
もしヒンドゥー教、特にシーク教とイスラム教の男女が結婚しようとしたら、
家族か親族が相手の男を殺すか自分の娘を殺すかになり大問題になるそうだ。

インドでは70年前の独立後、カースト制は廃止になったが、
心情的に強く残っていてヒンドゥー教徒はカースト制の階層を越えて結婚しない。
もし反対を押し切って結婚しようとすれば駆け落ちしかないそうで、
以後家族間の付き合いは無くなり、都市部で2人で生きていかねばならない。

インドでは人口増加が激しいので政府は、ふたりっ子政策を実施している。
しかし、イスラム教徒は、多妻制の事もあり、ふたりっ子政策を無視している。

インドでも最近は離婚が増えている。
結婚の時は、嫁側が多額の持参金を相手の家族に渡す。
離婚の時は、嫁側が相手の男性の財産の殆どをもらう。

5.禁酒法
インド・ビハール州は、禁酒法が制定されている4つの州の一つで
2016年4月より施行している。
アル中と暴力の抑止の為で外国人も含まれる。
罰則は、最高終身懲役刑及び100万ルピー(約180万円)。
レストランでもホテルの部屋でもお酒は飲めない。
持ち込みも出来ない。
我々も3日間ビハール州滞在中、ビールやワインを飲めなかった。

インド全州(29州)で飲酒運転撲滅の為、
主幹道路から500m以内は酒類の販売・飲酒が2017年4月から施行された。
その為かレストランで飲むビール1本が400ルピー(約720円)する。

高速道路に携帯電話禁止標識と飲酒禁止標識があるのには驚いた。

携帯電話禁止標識と飲酒禁止標識

2015年、インドでの交通事故件数は50万1423件で
死者14万6133人、負傷者50万人だった。
1時間に16.7人交通事故死していることになり戦争で死ぬ人より多い。
2016年の日本の交通事故死は3,904人。

インドで交通事故件数が多いのは、劣悪な道路状況、車両の整備不良、無謀運転、
不十分な道路交通法などと運転免許証の30%は偽造だそうだ。
交通事故死を起こした運転手は、示談が成立しないと禁固7年になるそうである。

事故になってもおかしくない交通事情である。
日本と同じに車は左側通行だが、私にはとてもインドやネパールでは
危なくて運転できない。

5.貧富の差
インドは貧富の差が激しい所である。
中国の科挙試験みたいに大学入試は競争率300倍くらい。
卒業すればエリートコースが得られる。

6.水事情
他の水道蛇口からは飲水として使わないように旅行社から言われている。
歯磨きのうがい水もペットボトルの水を使うように言われている。
ホテルには必ずペットボトルの飲料水が置いてある。
しかし、現在は大きな駅や博物館には水道に大型浄水器が設置されていて
蛇口から直接、水が飲める。
大型浄水器付き流し
コルカタ ハウラー駅
あちらこちらに井戸の手動ポンプがある
現地ガイドのアローラさんの話だと、
地方の井戸水はしょっぱく無ければ飲んでも大丈夫と言うので
飲んでみたが下痢はしなかった。
井戸水で身体を洗う 生活水
携帯浄水器
持って行ったが使わずに持ち帰った。
コップに少し薬品を入れて1~2分後にこのストローで吸い込んで飲む

9.牛糞燃料
村の家で飼われている牛
牛のエサ作り
牛のエサ入れ

村の家で飼われている牛


牛糞燃料の牛糞と藁(わら)がある


牛糞とわらを混ぜて塀に張り付けて乾かす
この作業の9割は女性とのこと
牛は神聖なので両手を使って牛糞燃料作成作業する。

牛からの燃料の形は丸形や四角型がある

石炭も売っていた

10.レンガ工場
あちらこちらにレンガ工場がある。
インドでは木造草ぶきの家をレンガ積みの家に変えている。
素焼きレンガ工場
石炭を燃料に使っている。

レンガ工場
煙突の周りに溝が掘ってあり、中の島みたいなところに
レンガを焼く部屋が幾つも並んでいる。
部屋ごとに順番に焼いたり冷やしたりしてしてレンガを作る。
製作所が違うレンガ
まだ焼く前のレンガ置き場