2022年4月28日(木曜)
モエレ沼公園
アイヌ語の「モイレペッ」(意:静かな水面・ゆったりと流れる)を由来とした
地名「モエレ沼」から公園名がつけられた。
モエレ沼公園は、札幌市の市街地を公園や緑地の帯で包み込もうという
「環状グリーンベルト構想」における拠点公園として計画された札幌市の総合公園である。
1982(昭和57)年に着工し、2005(平成17)年に グランドオープンした。
基本設計は世界的に著名な彫刻家イサム・ノグチが手がけ、
「全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトのもとに造成が進められた。
広大な敷地には幾何学形態を多用した山や噴水、遊具などの施設が整然と配置されており、自然とアートが融合した美しい景観を楽しむことが できる。
また、ゴミ処理場の跡地を公園化したことや、
屋内施設であるガラスのピラミッドに地域固有の自然エネルギーである雪を活用した
冷房システムを導入していることから、自然環境保全の観点からも注目を集めている。
ガラスのピラミッド
愛称「HIDAMARI」2003(平成15)年開館
彫刻家イサム・ノグチ設計
雪冷房システム
雪は解けると冷水になり、この冷水を熱利用して冷房にするのが雪冷房である。
公園内に積もった雪を断熱された雪貯蔵庫に蓄え、
夏季(6月から9月)にガラスのピラミッドの館内を「熱交換冷水循環方式」で冷やす。
モエレ山とガラスのピラミッド 2022年4月28日撮影
ノグチが訪れたとき、モエレ沼の内陸部は不燃ゴミの埋め立て地として利用されていた。
ゴミの舞い散る大地に立ち、ノグチは
「人間が傷つけた土地をアートで再生する。それは僕の仕事です。」と言い、
モエレ沼公園の計画に参加することを希望した。
モエレ沼公園模型
1988年3月、イサム・ノグチは初めて札幌を訪れた。
1988年11月17日、モエレ沼公園の2000分の1の模型が披露された。
1988年12月30日、急病のためニューヨークにて永眠(84歳)。
その後、イサム・ノグチ財団の監修と支援してきた人々の協力で
公園造成を継続することに決定し、1989年から本格的な造成工事がスタートした。
1982(昭和57)年の造成開始から23年後、
ノグチが設計に参画した1988年からは17年後の
2005(平成17)年、エレ沼公園は「海の噴水」の完成とともにグランドオープンした。
彫刻家イサム・ノグチ
あかり
彫刻家イサム・ノグチ設計
OMPHALOS オンファロス
制作年:1988年 素材:庵治産花崗岩 サイズ:高さ45cm、幅115cm、重量800kg
2022年2月12日撮影 モエレ山亀裂
冬は一面の雪景色の中でクロスカントリースキーやソリ遊びが楽しめるが、
積雪に大きな亀裂が入っていたため、モエレ山はその間、閉鎖中であった。
モエレ沼公園
エゾヤマザクラ
北海道開拓の村